2009年3月28日土曜日

『強く美しいもの』

土門 拳 著 小学館文庫

 野口代表が園田学園を退職されるとき、校長室にあった本(段ボール33箱分)をいただいた。必要な本を残して、あとは古本屋にでも処分するようにとのことだったが、せっかく代表が収集された本なので、岬町青少年センターの1室を借りて、蔵書を並べてもらった。私が読んだ本などもそこへ追加して置こうと思っている。このブログでは、そんな野口蔵書も紹介していきたい。土門拳の次の言葉が、すべてのリードに置かれている。

 大事なモノは見れば見るほど魂に吸いつき、不必要なものは注意力から離れる。ぼくはこれぞというところにカメラを向け、フレームの真ん中にそれを据え、ピントをギリギリまでよく合わせ、「エイッ」とばかりに気合いを込めてシャッターを切る。p3

 全編に土門の気合いが満ちた写真がふんだんに使われている。野口代表が山形県酒田市に講演に出向いたとき、終ってから寸暇をおしんで土門拳記念館を訪れたそうだが、そのときに購入した本かもしれない。解説は、弟子の藤森武さん。次のフレーズが、俳句を作る私自身の参考になった。

 まず最初に書物で「調べる」。調べたあとに「見る」。その次が「感動する」。これは素直な感動です。感動したあと「凝視する」。これにうんと時間がかかる。最後に「撮影する」。この五段階の手順を必ず踏む。(略)よく土門拳は撮影が遅いといわれますが、それはちがう。1点撮るのに2時間かかるとすると、1時間あまりは見ている。それだけたっぷり見たら、撮影は早いんです。p200

2009年3月25日水曜日

『学力を問い直す』

佐藤 学 著 岩波ブックレット548 2001年10月

 3回目の全国学力テストが来月の21日に予定されている。大阪府では、矢継ぎ早に学力向上策が打ち出されているが、もともと学力とは何かを考える上での原点に置きたい一冊。佐藤は、アメリカで1980年代初頭に取り組まれた「back to basics(基礎に帰れ)」が大失敗に終ったことを次の2点に分析している。

1.基礎的な知識や技能であればあるほど、反復学習のドリルによる習得ではなく、経験をとおして機能的に習得されることを認識していなかった。
2.工業社会から知識社会への転換期にあって、ブルーカラーの比率が激減し、「基礎学力」で就職できる単純労働の市場が壊滅状態になっており、複合的で高度な知識で組織される社会への変化に逆行していた。 p42

 この認識を踏まえて、もっとも面白かったのは、次の部分。

「学力」は基礎から上に積み上げて形成されるのではなく、逆に上から引き上げられて形成されていくのです。 p45 

2009年3月24日火曜日

『子どもが育つ条件』

柏木惠子 著 岩波新書2008.6

次の「はじめに」の一節が、本書のすべてを語っています。

 昨今、日本社会では「子どもをいかに育てるか」「どのように賢く育て上げるか」といった関心から、子どもの〝育て方〟がとかく偏重される傾向もあります。こうした、〝育て方〟への親の熱心な眼差しには、「子どもは自ら育つ」という重要な認識が往々にして欠けています。それゆえに、子どもの「育つ力」を奪ってしまうことにもつながっています。
 と同時に、育てる側のおとな、すなわち親自身が成長・発達することが、実は子どもの育ちにとって重要であることも、今日の社会ではほとんど認識されていません。人間が誕生して死ぬまで、つまり子どものみならずおとなも成長・発達する事実を確認する必要があります。

そして著者の提案で最も重要なのが、「他者のために働く体験」が「自己有能感」「自己肯定感」を育てるということだと思います。

2009年3月22日日曜日

はじめまして

 はじめまして。子ども教育広場は、野口克海を代表とする民間教育研究機関です。現在、会員数は1000名を超えています。主な取り組みは、8月に若い教職員を対象とした「若手教師エンパワメント・ワークス」という合宿を行い、12月には中堅の教職員を対象とした「スクールリーダー合宿」を行っています。年度のまとめとして、会員に呼びかけて2月に「子ども教育広場セミナー」を行います。本会に入会するのは、2つの合宿かセミナーに参加することで自動的に入会手続きを行います。入会金や年会費は無料です。追って、合宿やセミナーをご案内しますので、よろしければご参加ください。