2009年3月25日水曜日

『学力を問い直す』

佐藤 学 著 岩波ブックレット548 2001年10月

 3回目の全国学力テストが来月の21日に予定されている。大阪府では、矢継ぎ早に学力向上策が打ち出されているが、もともと学力とは何かを考える上での原点に置きたい一冊。佐藤は、アメリカで1980年代初頭に取り組まれた「back to basics(基礎に帰れ)」が大失敗に終ったことを次の2点に分析している。

1.基礎的な知識や技能であればあるほど、反復学習のドリルによる習得ではなく、経験をとおして機能的に習得されることを認識していなかった。
2.工業社会から知識社会への転換期にあって、ブルーカラーの比率が激減し、「基礎学力」で就職できる単純労働の市場が壊滅状態になっており、複合的で高度な知識で組織される社会への変化に逆行していた。 p42

 この認識を踏まえて、もっとも面白かったのは、次の部分。

「学力」は基礎から上に積み上げて形成されるのではなく、逆に上から引き上げられて形成されていくのです。 p45 

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